鳥羽竜の研究のあゆみ

What' tobaryu?

996年夏、三重県鳥羽市安楽島町の砥浜海岸の崖の中から、貝化石を探索に来ていた四人のアマチュア研究家によって竜脚類の仲間と見られる恐竜化石が発見されました。竜脚類は首と尾の長い四足歩行の巨大な恐竜で、植物を食べていたと考えられます。 

 

この化石を含む地層は松尾層群とよばれるもので、1億3800万年前(白亜紀前期)に形成されたと推定されています。大きくてしかも一頭分の竜脚類の恐竜化石が比較的まとまって発見されたのは、日本で初めてのことです。この恐竜は発見場所にちなんで、通称「鳥羽竜」と呼ばれるよう考えました。今のところ残念ながら、発見部位が少なく学名を確認するところまでいっていません。

鳥羽竜は発見された骨化石の骨格判定をしたら、当時アジア地域に生息していたティタノサウルスという恐竜の仲間であることがわかりました。この恐竜は、体長16~18m、体重31~32トンに達する大型の恐竜であると推定されました。現在の陸上動物の中でもっとも大きいアフリカ象の約6倍の重さになります。

 

この恐竜が生きていた時代には、現在のような日本列島はまだ、ありませんでした。おそらく鳥羽竜は今の東南アジア付近の暖かい陸地で生活しており、死んで浅い海の底に埋まった後、その地層が長い年月をかけて、発見されたこの場所まで移動してきたと考えられています

 

鳥羽竜が発見されてから20年をかぞえるようになりました。最近では兵庫県丹波市でも同じティタノサウルスの仲間の恐竜化石が発見されている。 また、新たな発見を呼び起こしたいと願っています。

 

発掘された化石

 

現在までに12個の骨化石の部位が確認され、または推定されていますが、その他にも多くの骨の破片が見つかっています。一番大きな骨は大腿骨(太ももの骨)で、長さは128cmに達します。この骨の両方の端の部分が少しこわれているので本当はもう少し長かったのでしょう。尾椎(しっぽの骨)も4個確認されました。 (写真は大腿骨)

1998年の秋には、発見現場のすぐ西にある地層の表面で、恐竜の足跡の化石が発見されました。この足跡化石は鳥羽竜が残したものでなく、イグアノドンという二足歩行の草食性恐竜の仲間のものであることがわかりました。イグアノドンは成長すると全長9m、体重4.5トンくらいになります。足跡の部分が凸状になっていることから、過去の地殻変動によって、足跡を含む地層の下側が侵食されて、反転して地表に現れたものです。

三重県立総合博物館(MieMu)に展示

イグアノドンの仲間の足跡化石は海岸の波に洗われ、破損していくので土のう袋と石を積んで保護しています。この足型は凹上ではなく地層が反転して凸状になっています。45cmぐらいのものが斜めに並んでいます。その間に断層面があるので保存がなかなか難しいです。左側の部分が少し剥離しています。今は土のうと石積みで保護されています。

発掘されたところ

発見現場は海岸線の切り立った崖の下で、発掘作業は非常に困難で、この岩から化石を掘りだす作業には多くの時間と費用が費やされました。 鳥羽市や周辺地域には、詳しい調査研究がされていない地層がまだまだ多くあります。他の恐竜化石がこの付近にもある可能性は高く、新たな恐竜化石の発見が期待されます。

修学旅行での見学に 担当の先生方が事前調査に来ていただきました。わずか30分程度の時間でしたが、砂浜の中から貝化石を発見されました。5月に来ていただきます。