2024年年事業計画

鳥羽竜化石再発見を目指して

  1.    親子化石採集会の実施

本会のメイン行事として位置づけ、子どもたちの参加を募る。

開催時期  2回の開催

  ①    5月6日(月) 振替休日 干潮10時49分  

  ② 10月20日(日)干潮1時12分

  2.   修学旅行・社会見学での化石採集体験会の開催

 修学旅行や社会見学のリクエストにも対応したい。

 

 雨の日の対応は難しいが、化石レプリカづくりなどを  

 紹介する。

1)鳥羽竜発見現場の維持と保存 

鳥羽竜発見から26年もたつと現場の様子は大変景観が変わってきている。波浪で海岸周辺が削られ、パールロード付近からの雨水の浸食で崖が少しずつ崩れかけてきている。安全な保全と共に子どもたちの化石採集については貴重な場であるので常に安全管理を配慮していきたい。イグアノドンの足跡化石についても昨年は蛇篭による補修をしたが、確実な保存は難しいので早急に現場保存の確保を考えていきたい。

 合わせて今年の2月、恐竜公園周辺の枯れ木や雑木を伐採し、海への眺望を確保した。今後もたくさんの人に来ていただくために環境保全にも配慮していきたい。

 1.夏休み中にミニ恐竜展を開催。体育館を中心に

 ◎   恐竜化石発見者の谷本正浩さんの資料を借りて、    鳥羽竜をはじめ恐竜化石の発見についての様子を紹介する。谷本さんは中国での化石採集の経験などもあり。(谷本さんのスケジュールがタイトなので調整中)

 ◎   現場での化石採集は暑いので難しいので恐竜展などで化石レプリカつくりの体験をする。 

 ◎   恐竜や化石についての紹介と解説、子どもたちの採集した化石を鑑定をする。

 

 化石のクリーニング

化石採集などの動画の作成

   1.    展示・動画作成についての計画

   ◎   最近の恐竜フィギアを活用して、いまのジオラマをもう少し新たなも 

    のにする。

   ◎   化石採集についての動画を作りたい。

 

   ◎   併せて、鳥羽竜の発掘や保存の様子を紹介する動画を作成したい。

(3)体験活動の充実

 鳥羽竜に関心を持ってくれているのは子どもたちの存在である。恐竜の名前には私達以上に詳しいし、恐竜が滅びた原因などについても詳しい知識を持っている。毎年、鳥羽竜現場で化石採集会を開催すると県内外からたくさんの参加者がある。鳥羽竜化石現場は自分たちの手で化石採集ができる貴重な現場である。春・夏・秋と年間3回程度現地化石採集会をすると親子連れで参加していただくことが多い。現場で恐竜のことや貝化石の見つけ方を案内してあげると子どもたちの関心は大いに盛り上がる。昨年はテレビ局や新聞社の取材も多く入り、機会を紹介してくれた。今年も紹介を依頼していきたい。

 

 鳥羽歴史文化ガイドセンターでも夏休みに化石レプリカ教室を開催し、夏休みの体験学習として紹介している。 

 

 このほか修学旅行で鳥羽を訪れた学校は恐竜化石現場で化石採集会に参加してくれ、鳥羽竜の発見経緯と化石採集で充実した機会を持ってくれている。参加した児童も「実際に化石を見つけることができてうれしかった。」と感想を述べてくれている。しかし現場周辺が崩れかけて危険な状況にもなっている。むやみに崖を崩したりせず安心・安全に化石採集をする指導をしながら見守っていくことが必要である。

青峰山の化石保存

  1.    青峰山産出のアンモナイト化石について

 

  ◎   防護ネットを作成したので、鳥羽恐竜研究振興会で保存をしていくことを紹介し、できたらアンモナイトの化石採集会を計画する。

 

 

学名は「ヒボノチセラス属」 トゲのあるアンモナイト 今浦層から産出

青峰山産出のアンモナイト化石

2022年3月~2023年7月、三重県鳥羽市の青峰山中腹を調査した星田和紀氏(兵庫県立人と自然の博物館 地域研究員)らによって後期ジュラ紀アンモナイト化石11点が発見された。2023年10月これらの標本は三重県立総合博物館に寄贈された。2024年3月1日発行の三重県総合博物館研究紀要第10号に上記の標本に関する酒井佑輔博士(大野市教育委員会 主任学芸員)らの論文が掲載され、トゲが発達するヒボノチセラスについて紹介された。ヒボノチセラスは、後期ジュラ紀の時代であるキンヌリジアン期(約1億5480万年前~約1億4920万年前)~チトニアン期(約1億4920万年前~約1億4500万年前)に生息していたアンモナイトで国内では三重県のほかに福島県、高知県、愛媛県で発見されている。

(1)発見されたアンモナイトについて

 ①学名 Hybonoticeras sp.  (ヒボノチセラス属の一種)

 ②発見地 三重県鳥羽市の青峰山中腹

 ③地層名 今浦層

 ④時代 後期ジュラ紀

 ⑤特徴 ・緩巻きの殻である ・変形を受けてつぶれている ・螺環の断面形態はおそらく四角形

     ・腹部に深い溝がある。(ヒボノチセラス属を特徴付ける形質の一つ)

     ・肋は幅広く、腹肩部の肋上にイボもしくはとげが発達する

ジオパークへの取り組み

 地域の地質や自然の景観を生かして、持続的な環境保護を進めていく活動にジオパークの取り組みがある。鳥羽の地質は秩父帯や黒瀬川帯、三波川変成帯、四万十帯などの地質から形成されていて多様な自然景観を生み出している。おいしい海の幸や海女の活動などもこれらの関係と大きく繋がっている。この貴重な自然景観とそこに生息する動植物の生態を知り、合わせて未来に続く自然環境を守っていくことは持続的社会の維持のためにも大事なことである。合わせて、これらを保護していく仕組みやメンバーを育成していくことも必要である。市民の皆さんと一緒に地域の地質調査をしたり、三重県立総合博物館や鳥羽ツーリズム推進協議会などとも連携を取りながらジオパーク推進の活動を推進していきたい。

 

5)展示施設の整備と充実

 鳥羽竜の研究成果を継続していくには、今まで発掘した骨化石や貝化石を展示していく場所が必要である。恐竜がなぜ地球上で大繁栄していたかなどの様子を紹介するのも恐竜ファンの子どもたちにはまたとない願いである。今は安楽島小学校のあき教室を利用して保存しているが、何とか一日も早くそれらを系統的に紹介する施設が欲しいものである。旧鳥羽小学校や来年から休校になる鏡浦小学校もあるので、それらを活用した化石展示教室を起点とした活動が展開できたら、夢多き活動につながるものとして期待している。教育委員会ともよく相談して努力を続けていきたい。

今年は急きょ鳥羽一丁目にある門野幾之進記念館のエントランスを借りて鳥羽竜の化石などを展示する

計画が実現しました。何とか市民の皆様や恐竜ファンに少しでも見ていただきたいと準備を進めています。

(6)情報発信・普及活動の推進

 鳥羽を訪れてくれる方々に鳥羽竜発見地を紹介していくことは鳥羽の観光資源の目玉にもなっている。子どもたちをはじめ訪れてくれる観光客の方に現場の紹介をするパンフレットやホームページ、SNSでの発信はだいじなポイントである。パンフレットは関係団体や旅館にも置いていただき、現地でも恐竜の小箱を設置し、パンフレットを置いている。現地での化石採集会の開催では記者クラブを通して各新聞社・テレビ局で紹介して

いただき、ホームページ,facebookでも紹介している。

現地で化石採集会に参加していただいた方には恐竜研究会の会員になっていただき今後の活動に参加する機会を紹介していきたい。また、市民の方にも会員拡大を進め、鳥羽竜や化石・地質などについて専門家を招聘し講演会を開催し、鳥羽竜の普及活動を幅広く続けていきたい。

★鳥羽恐竜研究振興会HP https://tobaryoryukenkyukai.jiumdo.com

又は 鳥羽恐竜研究振興会で検索

 

 ◎e-mail  momonoki@amigo.ne.jp 山下

参考資料 NHKダーウィンが来た

むかわ竜の発見でも日本列島でも様々な恐竜がでも発見されることが分かった。アジア大陸の東側にあつた日本にはたくさんの恐竜が生活していた。それらの恐竜化石が今後も発見されるだろうという提言。大変興味深いものであつた。写真はNHKのものをお借りしています。研究の中心は北海道大学の

小林 快次(こばやしよしつぐ)教授 むかわ竜は正式にカムイサウルス・ジャポニクスと命名された。

恐竜化石発見現場での化石採集会

皆さんからのご要望があれば、現地で化石採集会を開催します。潮時や天候を十分配慮して実施したいと思います。鳥羽恐竜研究振興会までご連絡ください。連絡先 090-4790-0559

北海道むかわ町で草食恐竜の全身骨格発掘

2017年 むかわ町で恐竜の全身骨格が発見。体長は鳥羽竜より少し小さいけど全身の骨格が発見されているところが素晴らしい。連絡を取りながら研究交流を進めていきたい。

むかわ竜は現在はカムイサウルス・ジャポニクスと命名されている。

2018年5月、京都から修学旅行の子どもたちが現地で化石採集会を体験。海岸で貝化石を発見したりして楽しい体験をしました。

鳥羽市の離島 答志島の大築海島にわたり地質調査。三波川変成帯の変成岩を現地で確認。様々な変成岩ができていることに驚きの連続。縞筋模様の入った黒色片岩の鑑定。石灰岩などもあり様々な岩石が入り交じっていました。大変興味ある離れ島です。

恐竜化石発見現場で化石採集 お父さんと一緒に化石の岩脈を見つけて化石発見にチャレンジ。

ハンマーの使用は私ども研究会の指導のもとに行いました。むやみには使えませんのでご了解を。

 

夏休みの体験学習会 鳥羽市内の小学生6年生が応募して参加。岐阜県の土岐川での化石採集会や福井県の恐竜博物館を訪ねます。宿泊は奥越高原青少年自然の家です。今年は8月27日28日に実施。

三重県立総合博物館と連携して 鳥羽の地質調査を推進

鳥羽は四万十帯や秩父北帯南帯、黒瀬川帯、三波川変成帯とたくさんの地層が集まっています。それぞれの地層の特質を探り、どのように形成し、広がっているか研究員の方と一緒にフィールドワークを実施しています。機会がありましたらぜひご参加ください。

恐竜の足跡化石の保存 イグアノドンの足跡化石が海岸近くにあります。台風や大潮の時、波に洗われるのでその保護活動をしています。昨年も11月11日に実施。なるべく早く安全な保全活動を願っています。

恐竜小公園に「恐竜の小箱」設置。案内パンフレットが置いてあります。いつでもご利用ください。


鳥羽竜発見現場

Name 鳥羽市安楽島町砥浜海岸

Street 県道750号線通称パールロード

City/ZIP 鳥羽市安楽島町

Email: momonoki@amigo.ne.jp

Telephone: 090-4790-0559


鳥羽竜発見現場での化石採集体験学習